青色キャンバス


中学一年生の時に付き合って、高校に上がっても私達はずっと一緒だった。


私の二つ年上の蛍ちゃん。私が中学に上がってすぐに蛍ちゃんが卒業。
いつも私が蛍ちゃんを追いかける。


「コラ、雛」

―ペシッ

「あたっ!!」


ピンク色の想い出に想いを馳せていると、蛍ちゃんが私のおでこを軽く叩いた。

「ぼーっとして、俺の話し聞いてたかー?」

「へ?」


蛍ちゃん何か言ってたの?全然全く何も聞こえなかったよ!!


「海、行ってやるって言おうと思ったけどやっぱやめ……」

「ありがとう蛍ちゃんっ!!大好き!!」


ガバッと蛍ちゃんに抱き着いた。


少し赤みのかかった蛍ちゃんの髪に顔を埋める。


蛍ちゃんの良い匂いがした。



「首締まってる!!つか、俺の話を聞きやがれひよっこ!!」

「大好きぃ〜」

「ったく…」


蛍ちゃんは顔を赤くしながら私を抱きしめてくれた。


そのまま私の真っ直ぐな長い黒髪を優しく撫でてくれる。




そんな蛍ちゃんが私は大好きだった。


名前を呼べばどんなに小さな声でも私を振り返る。


手を伸ばせば私を引き寄せてくれる。


私と蛍ちゃんはいつだって触れ合える距離にいたんだ。





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