青色キャンバス
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「なんでっ…うぅっ…」
泣きながら、雨の中を全力で走る。
海へ行く途中、私達が乗っていたバスが転倒した。
雨の日で滑りやすくて、私達の乗っていたバスがカーブでスリップしたんだ。
バスが大きく傾いた時、蛍ちゃんが私を強く抱き込んだ。
そのおかげで、私はなんてか起き上がり、助けを呼びに行けるだけの力があった。
「お…がいっ…誰か……」
煙りを多く吸ったからか、喉が痛くて声が出ない。
道路の真ん中で立ち尽くす。
早く……
早くしないと……
私を抱き込んで蛍ちゃんは気を失っていた。
早くしないと蛍ちゃんも、あのバスにいた人も皆…
「誰か……」
神様、どうか助けて…
私なんか助からなくていい。蛍ちゃんを助けてっ…
車一つ通らない道路をひたすら進む。
「助け…蛍ちゃん…」
私の大事な人…
どうか助けて…