青色キャンバス


救急車が来たのは、あれから1時間も後の事だった。


「なんで………?」


私は目の前で燃え盛るバスを呆然と見つめた。


助けてって言ったのに…
あの中には…蛍ちゃんが…


「早く救急車へ、手当しましょう」


救命士の一人が私の肩に毛布をかける。


「蛍ちゃんが…」

「今は消火中です、あなたも体を休めて…」

「助けてっ!!!蛍ちゃんがまだ中にいるの!!」


私は救命士さんに縋り付いて叫んだ。


助けて、助けて。
何度も叫んだのに、その場にいた人は皆私を可哀相な目で見る。




「お願い…お願いっ!!」


降りしきる雨が、燃え盛る炎が、私の大切な人を奪った。









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