青色キャンバス
「先輩は一人じゃない。俺がいる…」
「…私は……」
私は……一人だ…
だってもう蛍ちゃんは…
「俺は他の誰でもない雛先輩を抱いてるんだよ」
「…私を……」
私を見てくれてる…?
こんな、私を……?
「先輩、頼むから自分を隠さないで。俺にだけは弱音はいてよ。寂しいなら抱いてあげる、悲しいなら傍にいるからさ…」
「……駄目だよ…」
「どうして?」
だって………
私といたら、秋君も……
「私のせいで…誰かを失うのはもう嫌……」
蛍ちゃんは私のせいで死んだんだ。
私の傍にいたら秋君も…
「俺はいなくなったりしない」
「…そんなの…嘘だよ…」
この世界に絶対なんてない。
「ずっと傍にあると思っていたものが突然、消えてしまう事だってあるんだから…」
「じゃあ先輩はずっと一人で生きていくの?」
「そう…だね……」
そう、ずっと一人……
私はもう誰かと生きていくなんて出来ない。
もう誰かを失うのは嫌…