青色キャンバス
「…先輩……」
秋君は悲しそうに私を見つめた。
…ごめんね…秋君…
私は、そんなに強くない。もう、希望なんかないんだ…
「…ごめん…ね…」
体が熱くなってきた。
熱が上がったかな…?
瞼が重くなっていく。
「先輩、眠い?」
秋君の声が遠くに聞こえる。
「…眠りたくない…」
眠ってしまったら、私はまた夢を見る。
悲しくて、悲しくて…
辛くて、苦しくて…
それでも大好きなあの人に会える夢。
私の罪を思い知らせるような夢…
「…先輩、俺に何か出来る事はある?」
「秋君…心配かけてごめんね…」
秋君が私の事で心を痛める事なんかないのに…
「先輩、俺も一緒に眠るから、もう怖い夢はみないよ」
「…秋君……」
何故か涙が流れた。
本当だ……
今は一人じゃないね…
今度は……
今度こそは……
幸せな夢を見たい……
「…あり…が…と…」
私は秋君の温もりを肌に感じながら意識を手放した。