青色キャンバス
01.春風が運ぶ出会い
―春が来た。
高校三年生になり、新しいクラスへと変わる。
「あー…真白さん、おはよう…」
「……………おはよう」
隣の席に座る男子が私に挨拶をしてきた。
私はそれっきりただ無言で席に着く。
「ねぇ、あれが東先輩の…」
「馬鹿!聞こえるよ!?」
まただ……
蛍ちゃんの話…
蛍ちゃんが死んだ事で、私は学校では少し有名だった。
彼氏が死んでしまった可哀相な彼女。
彼氏を置いて一人だけ助かった最低な彼女。
色んな噂が流れた。
最初はあんなに辛かったのに、今は聞かないふり、見ないふり。
何もしらないくせに、私達の事を噂する学校の人間が大嫌い。