青色キャンバス
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「ね、先輩。こっちとこっちだと何が違うの?」
秋君は私に二本の筆を見せる。
秋君もここで画材を揃えるつもりらしい。
さっきからあれこれ聞いてくる。
「描いてみて決めたほうがいいんだけど、あ、こっちは私が使ってるのと同じだよ」
「あぁ、あれね。ならこっちにする」
秋君は私愛用の筆を手にとった。
「先輩は絵の具にした…のっ!?」
秋君は私のかごを見てぎょっとした。
おそらくかごに入っている絵の具の量だろう。
ここぞとばかりに買い込んでいる。
「近くの画材屋さんは絵の具の種類少ないからチャンスだと思って」
あんまり出掛けたりしないし、今しかないかと…