青色キャンバス
「先輩、ならまた一緒にデートしようよ。いつでも空いてるから」
「秋君の予定がいつでも空いてるなんて……信じられない!」
我が校の王子様の予定が空白なんて…
女の子から沢山誘われてるでしょう??
「先輩、俺モテるけどプレイボーイではないから」
いやいやいや!!
自分でモテるとか言っちゃうの!?
「でも可愛い子沢山いるでしょう?秋君ならより取り見取りなのに」
私なんかとデートしてくれてるのがびっくりだよ。
「…どうでもいいのばっかりで、本当に欲しい女は俺の事眼中に無いみたい」
秋君は何故か私をじっと見つめる。
…え………??
…なんでじっと見てくるの?
欲しい女って……
一瞬ありえない妄想が頭を過ぎった。
ないないない!
私なわけない!!
一瞬でもそんな事を考えた自分が恥ずかしい。
「秋君に振り向かない女の子なんているんだね。秋君、見た目だけじゃなくて中身もすごく素敵なのに…」
と言ってハッとする。
…私は何を言って……
恥ずかしくなって顔が熱くなる。
「…先輩……」
秋君に呼ばれたのに顔を上げられない。
「…なら先輩……。俺の事…好き?」
「へ?」
好きってそんなの……
「秋君の事、好きだけど…」
優しくしてくれるし、何より可愛い弟みたいな存在。