青色キャンバス
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「今日はありがとう、先輩」
秋君は家の前まで私を送ってくれた。
すっかり暗くなった空。星が瞬いてる。
「それは私の台詞だよ。久しぶりに時間も忘れて遊べたから…」
いつもはただ長いだけの夜を一人で過ごした。
不意に目が覚めて時計を見て。永遠に続くような孤独に苛まれた。
ただ過ぎていく日々、代わり映えのしない毎日に慣れてしまっていた。
「…楽しいなんて、久しぶりに思った…。ありがとう、秋君」
私に楽しい時間をくれてありがとう…
「ならまた一緒にどっかいこ。というかまた先輩の家行きたい」
「ええっ!」
家行きたいって…
こらこら!!
「初めてじゃないんだしいいじゃん。はい、決定ー」
「こら!勝手に決めないで」
確かに初めてではないけども!!やっぱり秋君は男の子だ。
弟…みたいではあるけど。
秋君が男として見てなんて言うから…
余計に気にしちゃうよ…
「先輩、明日迎え来ていい?」
「…え!?迎えにって…」
何故に!!?
「学校、一緒に行こうよ。絶対家にいてよ?」
「は…?」
ポカンとする私に秋君はため息をつく。
「は?じゃなくて、はい」
「は、はい…?」
って!!
何故私がため息つかれてるの!?
「先輩、不安になったら電話して」
「…そんな、子供じゃないんだし大丈夫だよ」
私の方が年上なのになんだか過保護だ。