双子なシンデレラ
1章――シンデレラ
特徴のない地味な服。
ボロボロの靴は、いったい今まで何年使われているのでしょう。
ウェーブのかかった長い金髪は、邪魔にならないよう後ろで縛っております。
もう一人も同じように真っすぐな銀の髪を縛り、頭にスカーフをつけておりました。
シンデレラは全体的に薄汚れており、昔はとても綺麗だった髪もくすぶっております。
しかし、十八歳になったシンデレラは手足や体がすらっと程よく伸び、無駄な贅肉などはいっさいありません。
健康的とは、少々言えませんが細い体つきはバランスよく美しく、世の中の女性にうらやましがられることでしょう。
ですが、その美しさは身にまとった薄汚れた古着や、煤や埃にまみれ隠されておりました。
しかし、そんなシンデレラにも誰が見ても美しいと思われるところがあります。
それは、感情や光り加減によって銀色にも変わる蒼い瞳でした。
力強く輝く瞳は相変わらず、いいえ、子供だったときよりもさらに美しく瞬いていたのです。
しかし、そのあまりにも美しい瞳に嫉妬した義姉たちによって、さらに厳しくいじめられ、こき使われる日々をシンデレラは過ごしておりました。