双子なシンデレラ
「……の、のろま?」
思わず継母が言った言葉の一つを、ティアラが繰り返しました。
その言葉に、継母の連れ子である長女のカリナは応えました。
「そーよぉ。いったい、いま何時だと思ってるのかしら? もうとっくに食事の準備をする時間ですのよ」
言い方は丁寧ですが、逆らうことは絶対許さないという意志が含まれておりまた。
双子より四つ年上のカリナは、母よりも明るい茶髪をうなじ辺りで軽くまとめ、母と同じ濃い茶色の瞳を持っております。
右の目の下には泣きぼくろがあり、どちらかというと可愛らしい部類に入っているでしょう。
ですが、鼻が低いのとあごが少し出ているのが頂けません。
「そーよそーよ。お姉さまの言うとおりだわ! 早く夕食にしてちょうだい。あたし、もうー、お腹がすいたわ!!」
姉の言葉を肯定するように言いながら表れたのは、継母の二番目の娘、コーリンでした。
双子の二つ上の十四歳で、母と同じ濃い茶髪に黄土色の瞳の少女です。
そして顔にはにきびがあり、他の子よりもいくばかりか、ふくよかでした。