桜涙 ~キミとの約束~
どうしてもこれがただの夢だと片付けられない私は、階下にいるであろうお母さんとお父さんに聞いてみることにした。
体を起こすと、感じていた疲れはもうなく安堵とともに部屋を出る。
そしてリビングに入れば、ソファーでくつろいでいた両親に質問してみた。
「ねぇ、お父さんお母さん。私の小さい頃、リクと奏ちゃんの他に仲の良かった男の子っていた?」
新聞を読んでいたお父さんは、記事に目を通したまま答える。
「さあ? 覚えてないな」
「どうかしらねー。お母さんの知る限り、小春の仲良しはリクくんと奏くんしかいないと思うけど」
だとしたら、やっぱりただの夢か……それとも、改ざんなのかな?
結局、この日は答えは見つからないままだったけど、数日経っても気になり続けていた私は手がかりがあるかもと思い、放課後になるとリクと奏ちゃんを捕まえて学校の近くにあるファミレスに寄った。