桜涙 ~キミとの約束~
✿幼なじみ 奏ちゃん
放課後、私とリクは正門の横で奏ちゃんが来るのを待っていた。
六月に入ったばかりの気候はまだ少し肌寒いけど、私たち生徒はもう夏服へと衣替えしている。
私たちの前を通り過ぎる生徒たちもすっかりみんな夏仕様になっていて、男子はワイシャツにネクタイ、女子はワイシャツにリボンでサマーセーターを着ている子が多い。
そんな私もまだ寒いからとサマーセーターを着用している。
ちなみにリクは半袖はまだ寒いからと長袖のワイシャツを腕まくりした状態で着ていた。
一応ネクタイもしてるけど、ゆるく結ばれているからなんともラフだ。
「奏チャンおっそいなー」
リクが待ちくたびれたのかしゃがみこむ。
と、その時走り寄ってくる靴音が聞こえて──