桜涙 ~キミとの約束~


「相性は……80%だって」

「なかなかいいんだな」


そう言った奏ちゃんの声は少し弾んでいて、嬉しそうだ。

私はパーセントの下に書いてある詳細も読んでみる。


「着実に愛を育てていく相性です。共感出来る部分も多く、女性は男性をとても頼りにします」


確かに、合ってるかもしれない。

私にとって、奏ちゃんはとても頼りになる人だ。

昔から共感出来る部分も多い。

……まあ、そのほとんどは、リクが絡んでて、まったくもう……みたいな共感が多い気がしなくもないけど。

なんて考えて、続きの文章を読み上げようとしたけれど、私は、それをやめた。

書かれていたのは【ただし、邪魔者が現れた時の嫉妬心や束縛には注意】だ。

嫉妬心と束縛という文字に、奏ちゃんが私に告げた言葉を思い出す。


『小春の運命は僕だ。他のやつを見る必要も気にする必要もない。そうだろ?』


当てはまるような……気がする。

私はその後に続く【優しさと思いやりで支え合える相性でしょう】という文章のみ読んで終えた。


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