桜涙 ~キミとの約束~
相性は90%。
でも、その数字に悩みが浮かんでしまう。
これを、奏ちゃんに告げたらどういう反応が返ってくるのか。
怒ったりはしないと思うけど……
「小春?」
「あ、ごめん」
嘘なんてついても、奏ちゃんが見たならすぐにバレる。
さっき気を使って言わなかったのとはまた違うんだ。
だから、私は正直に告げた。
「相性90%だって」
「そっか……内容は?」
奏ちゃんの声が、少しだけ落ち込んだ。
読んでいいものか一瞬迷ったけど、聞かれたのに読まないのもおかしいと感じて、私は文章を読み上げる。
「正反対のようでいて、バランスが取れた相性。互いにないものを持ち、運命のように惹かれあいます」
「運命……」
奏ちゃんの声が、病室内にこぼれ落ちる。