桜涙 ~キミとの約束~
✿エール
──翌日。
朝食を終え、薬を飲んだ私はディルームへと向かった。
昨日は、リクのおかげで少しだけ落ち着く事が出来た。
奏ちゃんにもメールでだけど、リクに説明したのと同じ事を文字にして送信した。
リクにもそうであったように、奏ちゃんにも隠さずにきちんと伝えたかったから。
ただ……電話は、昼間の事があったからしづらくて、メールにしてしまったのは少し申し訳ないと思う。
でも、奏ちゃんはその事には何も触れず、ひたすら心配してくれる文章を返してくれた。
お見舞いに来た時と同じように、何か出来る事があるなら何でもすると。
とても嬉しい言葉。
でも……奏ちゃんと私の間に今必要なのは、きっと病気に関する事じゃない。
奏ちゃんが胸の内に仕舞いこんでいるものを知って、いい方向に持っていく事だ。
それから……リクも。
リクも、何かを抱えてるのは以前からわかっていた。
深入りしちゃいけないなら無理に入るつもりはない。
だけど、奏ちゃんは私を支えようとしてくれてる。
リクも、駆けつけてそっと寄り添ってくれた。
私も……二人の為に何か出来る事があるなら、してあげたい。