桜涙 ~キミとの約束~
「ねぇリク、スーパーボールすくいしようよ。どっちが多くゲットできるか競争ね」
「よっし、上等!」
だから私は、奏ちゃんが合流するまでの時間で、たくさんはしゃいで、リクと笑いあった。
そして──
「見て見て奏ちゃん! すっごいでしょ」
奏ちゃんと合流した私とリクは、ベンチに腰掛けながら二人で競争してゲットした景品たちを奏ちゃんに見せた。
熊のぬいぐるみはもちろん、スーパーボールにヨーヨー、ダーツゲームや輪投げで手に入れたおもちゃ。
私たちの手には持ちきれなくて、親切な屋台のおじさんがくれた袋にたんまりと入っている。
「これ私がとったんだよ。すごくない?」
「いやいや、オレがとったコイツの方がすごくね? ね、奏チャン!」
「すごいけど、二人共いったいいくら使ったんだい?」
苦笑いして褒めながらもたしなめる奏ちゃん。
するとリクが得意げに「心配ないよ奏チャン」と告げたかと思うと。
「オレと小春、二人合わせてたったの五千円ですから!」
さらに得意げにピースサインまで付けて言い切った。