桜涙 ~キミとの約束~


「ちょっとオレの家、寄っていかない?」

「え?」

「気になるんだろ?」


彼が指すのは、お母さんのことだろうとすぐにわかった。


「そ、れは……気になる、けど」

「だったら付き合ってよ。オレの昔話に」


リクはそう言って、まだ昼間の熱を残した夏のコンクリートの上で、私を誘ったのだった──‥





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