桜涙 ~キミとの約束~
「ううん、大丈夫」
「そう? でも、昨日はだるかったんでしょ?」
「少しね。今日は平気だから。それよりお母さん、それ何? アルバム?」
「ええ。少し整理しようと思ってね」
答えて、お母さんはダイニングテーブルの上に数冊のアルバムを広げた。
「掃除してたら、しまい忘れてたのがさっき出てきたのよ」
あ、わかるかも。
あとから写真をもらったりすると、ついそのまましまい忘れちゃうんだよね。
お母さんが椅子に座って作業を開始する。
特にする事もなかった私はソファーから立ち上がると、お母さんの隣りに座って写真を眺める事にした。
「これは……小春が一歳の時くらいかしら」
お母さんは声にして確認しながら、手にした写真を該当のページにしまいこんでいく。