桜涙 ~キミとの約束~
「僕はね、陸斗も大切に思ってる。だから、大切な二人が僕を一人にするのが──」
そこで一度言葉を切ると、奏ちゃんは拳をギュッと握って……
「ひどく怖くて、許せない」
まるで、血を吐くように。
痛いよ、辛いよと、振り絞り叫ぶように……
「大切なのに、許せないんだ」
奏ちゃんは告げた。
リクとは少し違うけど、奏ちゃんも孤独を感じている。
そして、私とリクを大切に思い、心の拠り所にしてくれている。
『ぼくは、ひとりぼっちなんだ』
きっと、あの秘密基地で出会ってから、ずっと。