桜涙 ~キミとの約束~
「最初に言ったけど、これは僕の推測だ。当たってるかはわからない。むしろ……そうじゃなければいいって、思ってた」
奏ちゃんから吐かれた素直な気持ちに、私は言葉も出せずにただ立ち尽くしてしまう。
そんな私を見て、奏ちゃんは困ったように笑った。
「思ってたけど……僕は小春の味方。だから、ここから先は小春が自分で確かめておいで」
真実は、私が自分で。
「そして、正解でも正解じゃなくても、陸斗を……救ってやってくれ」
幼なじみを思い、背中を押してくれるような優しい奏ちゃんの眼差しに、私はひとつ頷いて……
「ありがとう奏ちゃん」
礼を言ってから、携帯を手にした。
リクに、会いにいく為に。