桜涙 ~キミとの約束~
確かに、付き合いましょう、そうしましょうという流れの会話はしていない。
でも、昨日リクが気持ちを明かしてくれて、私も伝える事ができて、それだけで私は満足しているんだけど……
「小春、オレと付き合ってください」
リクは律儀にも告白をしてきた。
「は、はい……」
いきなりの告白に私は返事するので精一杯。
そんな私の様子を見たリクはプッと吹き出した。
「顔、赤い」
言われて、赤くなった頬を隠すように両手で覆う。
「リクのせいだよ」
「うん。オレのせいだな」
ニコニコと、だけどどこか優しさを含めた笑みを私に見せるリク。
「これはオレだけの特権。これからも、オレだけにそういう顔、見せてね」
瞳に滲むのは私への愛情。
さっきの告白同様、突然の独占宣言に、私の心臓は喜びでトクトクと速度を早めつつあった。