桜涙 ~キミとの約束~


手紙だ。

一度だけじゃなく、もっといっぱい書いてあげよう。


返せなくても、きっと読んでくれてる。


私の文字が、少しでも梢ちゃんを元気にできるなら。


「リク。私、また手紙書くよ」


そしてまた、ディルームでお話しするんだ。

ううん、ディルームだけじゃない。

お互い元気になって、退院して。

お気に入りのお店で、たくさん笑い合うんだ。


「レターセット、足りなくなったら言って。オレ、また買って行くから」

「ありが──」

「お礼はこの前の分と合わせて、今もらう」


──え。

固まる私に、含みのある笑みを浮かべてリクが言う。


「心臓に負担かけたくないから深呼吸して。んで、オッケーだったら声かけて」


ニッコリと親指まで立ててオレはいつでもいけると言わんばかりのリク。


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