桜涙 ~キミとの約束~
リクは同じ学年だけどクラスは隣だ。
私が1-Aでリクは1-B。
その彼がどうして私の前の席に座っているのか。
彼は椅子を跨いで私の方を向きながら、綺麗な顔に微笑みを浮かべて座っている。
その手には、丸められたノートが収まっていて。
「リク……もしかしてソレで叩いた?」
問いかけると、リクは女子から評判のいいキュートな笑顔を浮かべて頷いた。
「うん、叩いた。ごめん」
謝罪を口にされても、そんな笑顔で言われたんじゃ反省しているようには見えない。
「反省してないでしょ」
唇を尖らせて見せれば、リクはまた「ごめんごめん」と微笑みながら謝る。