桜涙 ~キミとの約束~
「そ? でも、ピッタリだと思う」
「マカロンかぁ」
マカロンは私の好きなお菓子でもある。
奏ちゃんのお父さんのお店にあるマカロンも美味しかった。
……あ、そうだ。
お母さんに頼んで買ってきてもらおうかな。
それで、それをバレンタインチョコの代わりにリクにプレゼントするとか。
リクの好きな奏ちゃんパパのお菓子だし……
うん、いいかも。
「ね、リク。マカロン好き?」
「それは小春の事が好きかって事?」
「ち、違うよっ。そうじゃなくて、バレンタインにどうかなと思って」
「それは私を食べてという──」
「もうっ、違います」
頬を膨らませる私とは対照的に、リクは王子様のような整った顔をほころばせた。