桜涙 ~キミとの約束~
あの人がそうであったように……
『かあ、さん?』
『やめて……あの人と同じ目で、あたしを見るのはやめて……やめて……』
オレが、小春を不幸にしている。
それなら、オレはどうすべき?
オレが小春から離れれば、小春はまた元気になる?
"だったら、別れればいいんだ"
ひとつの答えが、オレの中に生まれる。
でも……
『いっぱい話して、いっぱい教えて。リクのこと』
『リクがなんて思おうと、私は幸せだよ?』
過去に縛られて、未来を捨てようとしていたオレの手をひいてくれた小春の手を離すことなんて
今のオレにはもう
できない。