桜涙 ~キミとの約束~
✿めまい
奏ちゃんのお父さんからもらったお菓子はその日のうちになくなった。
もちろん、私だけじゃなくて、お父さんとお母さんにもわけてあげたからだ。
夕飯後に仲良くお菓子をたいらげた翌日──
「ごちそうさまでした」
昼休みの教室でお弁当を食べ終えた私は、手を合わせた瞬間にハタと気付き目を見開いた。
「どうしよう!」
声にすると、私と一緒にお弁当を食べていたクラスメイトであり親友でもある双葉 美乃(ふたば よしの)、通称よっちんが驚いた様子もなく私を見る。