桜涙 ~キミとの約束~


そうして……


しばらくして、奏チャンは病院に運ばれていった。


血まみれの体は、動くことはなくて。

奏チャンの家族が駆けつけると、また、あの女の子の母親が謝る。

涙を流して、どうお詫びしたらいいのかと。

そして……


娘を助けていただき、ありがとうございます……と。


腕と足に擦り傷をおった女の子。

オレは、雰囲気を悟り不安そうにしている女の子の前にしゃがみこむ。


「お名前は?」


奏チャンが、助けた女の子。

彼女の名前は……


「……こはる、3しゃい」


小春と同じ、名前だった。



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