桜涙 ~キミとの約束~
リクに、笑顔を。
たくさんの笑顔を。
そして、私もそれを見て笑うんだ。
白いベッドの上で、リクの笑顔を思い浮かべる。
すると、自然と頬が緩んで……
涙腺まで、緩んだ。
「……あ、れ?」
ポロポロと溢れる涙を手で拭うけど、止まってくれない。
おかしいな、なんて口にして。
だけど。
「…っ…やば……」
おかしいことなんて、ない。
心が悲鳴をあげているだけ。
強くありたいのに、前を向いていたいのに。
そうしようとすればするほど、反動のように悲鳴をあげる。
そんな時は、こうして何かをきっかけにして、涙がこぼれてしまうのだ。