桜涙 ~キミとの約束~
体中の血が、ざわつくような感覚が私を襲う。
「……や、だ……なに?」
冗談だとしたらタチが悪い。
私は半ばパニックに陥りそうになりながらリクを見た。
「なに、これ?」
手が小さく震える。
問いかけた私の視線を受け止めるリクは、悲しそうに唇を引き結んでから……
「黙っててごめん」
消え入りそうな声で謝る。
そして続けられた言葉は──
「奏ちゃん……事故で亡くなったんだ」
信じられない……
信じたくないものだった。
夢や嘘であったらどんなに幸せか。
だけど、目の前にある光景は確かに現実で。