桜涙 ~キミとの約束~
「奏ちゃん……言ってたの。僕はここにいるよ。だからもう、大丈夫……って」
リクに教えると、彼は「だったら、そうかもしれない」と口にした。
そして「だってさ」と続けられたリクの声は少し震えていて。
「奏チャン、凄いんだ。他の臓器は傷ついたりしてたのに……」
言葉を詰まらせ、堪えきれない思いを乗せ教えてくれたのは。
「心臓だけは、綺麗なままだったんだって」
最後まで私の幸せを願う
奏ちゃんの想いが起こした
心優しい奇跡だった。