桜涙 ~キミとの約束~
✿愛する人と…
翌年、三月末。
高校三年生になる私は、リクと一緒にある場所に訪れていた。
そこは、幼い日に約束を結んだ想い出の桜がある公園。
満開の桜の木の下に立ち、リクと手を繋ぎながら舞い散る花びらを見つめていた。
淡いピンクの桜が風に揺れると、隙間に覗く水色の空。
「リクとここに立つの、何年ぶりかな?」
「じゅう……さん?」
「それくらい?」
「奏チャンとは?」
そっと胸をおさえる。
「一年と三ヶ月振りだよ」
「そっか」
リクは、花びらを手のひらに乗せようと腕を伸ばした。