桜涙 ~キミとの約束~
熱が上がると何故かテンションがハイになる人だっけ、なんて思い出していたら、「なにより」とリクが続ける。
私が言葉の続きを瞬きしながら待っていれば、リクは温かく微笑んで。
「お前の風邪ならいくらでももらうよ」
そう、言った。
なんだかちょっと意味深にも聞こえるリクの発言に、ドキっとする私の心臓。
私はそんな高鳴りに戸惑いつつも、呆れたように笑みを見せて。
「だったら遠慮せずうつしちゃうね」
頑張っていたずらっぽく告げると、自分の教室へと戻るべく生徒の声が行き交う廊下へと出た。