桜涙 ~キミとの約束~


「う~ん……やっぱりちょっとだるいなぁ……」


晴れ渡る空の下、学校へと向かって歩く私は体の節々に若干の痛みを感じていた。

この痛みは熱が出る予兆だと、私の経験が語っている。

最悪、保健室で休ませてもらおうかな、なんて考えていたら。


「おはよう小春」


同じく登校中の奏ちゃんに爽やかな笑顔と挨拶をもらった。


「おはよう、奏ちゃん」


微笑んで挨拶を返した私。
いつもと同じように振舞ったつまりだったんだけど……


「小春、ちょっと顔色が悪い気がするけど」


どうやら具合が悪いのが伝わってしまったようだ。


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