桜涙 ~キミとの約束~


風邪をひく度に、無理しちゃダメ。

今すぐ帰ろう。

ちゃんと寝なきゃダメだよ。


昔から奏ちゃんはそうやって私の体を心配してくれてた。

出会った頃からずっと。

逆にリクは、大丈夫かと聞くわりにはお見舞いに来る度に暇だろうから遊んでやるとか言って、寝てる私を巻き込んで遊び始める人だ。

だからうつってしまってたのもあるんだろうなぁ。


少し困ったような顔をしていた奏ちゃんの言葉を待ちながら思い出を振り返っていたら。


「ちゃんと、一人の女の子として見てるよ。子供扱いなんてしてない」


視線は街並みを写していて私にはなかったけど、予想以上に真剣な答えと声色が返ってきて。

私を異性として見ていると言われた気がして、心臓がドキンと反応した。


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