桜涙 ~キミとの約束~


「小さい頃の僕たちかな?」

「そう、なのかな?」


そんな気もするし、違う気もする。

でも、懐かしい気がするのは確かだ。


どうしてそんな感じがするのか。

ぼんやりと考えながらまだだるい体を動かし歩いていると、奏ちゃんが話しかけてきた。


「小春、覚えてる? 僕たちが出会って間もない頃に、僕が怪我した時の事」

「市民の森を冒険した時?」

「そう、その時」

「もちろん覚えてるよ。奏ちゃんの足からいっぱい血が出てて、ビックリしたから」


それはもう鮮明に覚えてる。


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