桜涙 ~キミとの約束~
明るくて私を引っ張ってくれるリク。
私とリクはいつも一緒で、仲良しだった。
恋や愛なんて関係なくて、かくれんぼしたり探検ごっこしたり。
日が暮れるまで当たり前のように一緒に過ごしてた。
そんな彼を異性なのだと意識したのは……中学校に上がってから。
出会った頃は可愛いイメージが強かったリクの顔は、成長するにつれて綺麗な顔立ちへと変わっていった。
そんなリクに、当然のごとく女子が騒ぐようになって。
リクと一緒に帰っていた中学二年のある日。
『ねぇリク。明日買い物行こうよ』
いつものように遊ぶ約束をしようとしたら──
『デート? いいよ』
リクが口元に笑みを浮かべ、了承した。