桜涙 ~キミとの約束~
「お前の担任には、たった今中村センセが伝えに行ってくれたから」
言って、私のおでこに手を伸ばし、触れた。
私のおでこを覆うリクの手は、少しだけ冷えている。
「熱、高いな」
「……リクの手、冷たくて気持ちいい」
「そう? 役に立てて何より。起きれる? 送ってく」
リクの言葉に私は頷くと、彼の手を借りなが体を起こす。
私を支えて歩く彼の腕は……
たくましくて、力強い、男の人のものだった。