桜涙 ~キミとの約束~
「えっ……リ、ク……」
最悪のタイミング。
「ご、ごめんっ! わざとじゃないからっ!」
焦ったリクが早口でそう言って。
「わっ、わかったから、とにかく閉めて!」
熱もブッ飛ぶほどに驚いた私が懇願すると、リクは慌て扉を閉めた。
……み、見られた?
絶対見られたよね。
せめてパジャマを羽織ってからだったら良かったのにっ。
恥ずかしさと戦いながら、とにかくパジャマに着替えていると、ドア越しにリクの声が聞こえた。
「ほんとごめん」
沈んだ声に私は答える。