桜涙 ~キミとの約束~
──パクリ。
最後の一口分になったサンドイッチを口の中に頬張った時。
「あ、いたいた。小春!」
爽やかな笑顔を浮かべて私の名前を呼んだのは奏ちゃんだった。
「奏ちゃん。あ、さっきは一位おめでとう!」
「ああ、ありがとう。小春の応援してくれる声、聞こえたよ」
教えてくれた奏ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
き、聞こえてたのかぁ。
応援は届くようにするものだけど、実際聞こえたとか言われるとちょっと恥ずかしい。
「そうだ。これ、デザート」
そう言って奏ちゃんが差し出したのは、透明なフィルムの袋に入ったカップケーキたち。
カラフルにデコレーションされていてどれも可愛い。
まるで女の子の夢がたくさんつまった宝石箱みたいだ。