ほうき星 ~運命の輝き~
なんで今更悠のこと意識しちゃってんのよ。
これは心臓の誤作動だよ。
うん。きっとそうだ。
「とぉーちゃーっく!希早く来いよっ」
「ま…待ってぇ」
目当ての丘が見えてきた途端、悠はあたしを置いて駆け出した。
結果、あたしまで走る羽目になり。
こっちは酸欠状態。
走ったせいで喉に血の味がする。
「希は体力無さすぎなんだよ」
余裕綽々とした悠の態度。
うんと伸びをする格好であたしを出迎えた。
…ムカつくな、コイツ。
「あのねぇ…あたしは悠と違って体育会系じゃな――」
「まあそう怒んなって。見てみ空」
体育会系じゃないのよ!
と、言い返そうとした時、悠に遮られた。
イライラしつつ言われた通り空を見上げると。