もうひとつの恋
「いや……男の子って言っても、まだ一歳だし……」


「桜井だってそんな時代もあったでしょ!?」


そんなこと言われても……と思いながら、何かないかとキョロキョロ店内を見回してみる。


「あっ!美咲さん!

ミニカーとかどうですかね?」


ちょうど目に入ったミニカーの棚を見て、美咲さんに提案してみた。


「おっ!いいじゃな~い

決めた!私、ミニカーにする!」


嬉しいそうにその棚に近づくと、ミニカーを一つ一つ手に取って、健太が喜んでくれそうなものを物色し始めた。


とりあえずホッとしてミニカーを彼女に譲ると、自分は何にしようか考えながら売り場を歩き回る。


ふと目に止まったのは、可愛いクレヨン。


よく見ると口に入っても害のない優しい素材で出来たものだった。


< 110 / 432 >

この作品をシェア

pagetop