もうひとつの恋
そんな気持ちのまま、さとみさんの家につくと、もうすでに美咲さんは来ているようだった。


「こんばんは、おじゃまします」


いつものように勝手に部屋に上がると、リビングへと進む。


ドアを開けると、健太がヨタヨタしながら伝い歩きで俺の方を目指しているのが見えた。


「健太、おめでとう！」


そう言って抱き上げると、健太はキャッキャッとはしゃぎながら喜ぶ。


それを見ていたさとみさんが、俺が持っていたケーキをすかさず受け取ってくれた。


「ありがとね！桜井くん
助かっちゃった

美咲に行かせようと思ったのに、全然行ってくれなくて……」


申し訳なさそうにそう謝るさとみさんは、文句なしに今日も可愛い。


「いや、ついでだから大丈夫ですよ

若い方がフットワークも軽いし」


「誰が腰が重いって！？」


すかさず美咲さんがつっこんでくる。


「わかってるんなら大丈夫ですよ」


ニヤッと笑いながら挑発すると、さとみさんが止めに入った。


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