もうひとつの恋
ある日の休日――
特にすることもなくて、俺は近所にあるオープンカフェで一人寂しいランチをしていた。
すっかり春らしくなり、外のテーブルでも問題ないくらい暖かい。
俺はサンドイッチを頬張りながら、ぼんやりと行き交う人達の様子を眺めていた。
――あれ?
ふと見たことのあるような女性と目が合う。
女性は一瞬驚いたような顔をしたものの、すぐに嬉しそうに笑って俺に近づいてきた。
「純ちゃん?」
そう呼ばれてようやくその女性が、結衣だったことに気付く。
「結衣……?」
名前を呼ぶと、彼女は嬉しそうな顔で当たり前のように俺の対面の席に座った。
「やっぱり
久しぶりだねぇ?
元気だった?」
親しげに話しかけてくる結衣は、俺の知っている結衣よりもずいぶん大人の女性になったように見える。
「おぉ、元気だよ?
結衣は?なんかずいぶん大人になったなぁ」
正直に思ったことを口に出して言うと、彼女は目を輝かせる。