もうひとつの恋
「そんなことないよ

そうじゃなくて……

今、結衣が素敵な女性になって俺の前に現れて、幸せな顔をしてるのは、その彼氏のおかげなんだろうなって思ってさ

俺じゃ結衣をそんな風にしてあげられなかったから……

そういう意味では悔しいかもな?」


ハハッと笑いながら、そう言うと、結衣は真面目な顔をして俺を見た。


「純ちゃんて……

ほんと昔っから私のこと妹扱いだったもんね?

女扱いしてくれるのは自分の性欲満たすときだけだったし」


「ばっ!?おっ……前、何言ってんだよ!」


「だって本当のことじゃない!

そんなときばっかり女扱いしてさっ

純ちゃんのエッチ!」


「おまっ!ふざけんなよ!

前言撤回!大人の女性になったのは見た目だけだったな」


「ひっどーい!

純ちゃんのバカ!!」


言い合いになりながらも、お互い顔を見合わせた途端にプッと吹き出してしまう。


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