もうひとつの恋
「まさか……まだ片想い?」


驚いたように問いかける結衣に、俺は仕方なく頷いた。


「ちょっと待ってよ!

あれから2年も経ってるんだよ?

全然、進展ないわけ?」


痛いところを突かれて、俺は苦笑した。


「少しだけ進展したと言えば進展したのかな?

全然相手にはされてないけど……」


俺の煮え切らない態度にイラッとしたのか結衣が俺をけしかける。


「早く気持ち伝えなよ!

どっちにしたって伝えなきゃ何も始まらないじゃない!

ダメならダメで前に進めるんだしさ

他にもたくさんチャンスがあるかもしれないのに、もったいないよ?」


俺を心配して言ってくれてるのはわかるが、そう出来ない事情もあることをわかってほしい。


「そうだな?

そろそろ気持ちにケリつけなきゃとは思ってるよ」


結衣を安心させるために、俺は思ってもいないことを答える。


今はまだ時期じゃない。


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