もうひとつの恋
だからそれに参加出来ないということは、自然とストレスが溜まっていくということになる。


あぁ、さとみさんのあの笑顔に癒されてぇ……


椅子に座りながら両腕を上げて思いっきり伸びをしながら、そう思う。


すっかり日も暮れて残業モードに入ったとき、机の上に置いてあった携帯が震えた。


誰だろう?


携帯を開いて着信欄を見ると、美咲さんからだった。


「はい、もしもし?」


さとみさんじゃなく美咲さんだということで、わかりやすいくらいテンションが下がる。


「あっ!桜井?

ごめんね?さとみじゃなくって」


相変わらずの憎まれ口に、俺は乗る気にもなれなくて冷静に答えた。


「いえ……なんか用ですか?」


「何よぉ、元気ないじゃない?

仕事忙しいの?」


「えぇ……まあ……」


「そっ!なら邪魔しちゃ悪いから切るね?

さとみぃ、桜井忙しいってさ」


――えっ!?


もしかしてさとみさんも一緒にいるのか?


慌ててテンションを上げて、美咲さんを呼び止めた。


「ちょっ!待ってくださいよ!

もしかしてさとみさんと一緒なんですか?」


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