もうひとつの恋
かなりテンションを上げながら、興奮する健太を一回静める。


「じゃあ近いうち、連れてってやるからな?

でも一つだけ健太に宿題出していいかな?」


「しゅく……だい?」


宿題の意味が分からなかったようで、不思議そうな顔で俺を見る。


「ごめんごめん、ん~と約束……かな?」


それならわかるとばかりに頷いて「どんな?」と首を傾げながら聞いてくる。


「健太はさ

今、保育園行くときとか全部ママに着替えさせてもらったり、靴も履かせてもらったりしてるだろ?」


「うん……」


「もうすぐ3歳になるんだから、それだとちょっと恥ずかしいよな?」


「うん……」


「だから動物園行くまでに、ぜーんぶ自分で出来るようになるって約束しようぜ!」


「ぜん……ぶ……?」


健太には少し荷が重かったのか、出来るかな?というように、頭をフル回転させて考えているようだ。


「毎日一つずつ出来るようになれば、全部なんてすぐだよ」


そう笑いながら健太に言うと、頷きながら答えた。


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