もうひとつの恋
「わかった!いっこずつ……

ぜんぶできたら、どうぶつえんね?」


「ママには出来たとこ見せて驚かせたいから、秘密だぞ?」


秘密というフレーズがなんだかワクワクするのか、健太は喜んで言った。

「ひみつ!?うん!わかったぁ!

じゅんちゃんとふたりだけのひみつね?

ママ……びっくりするかなぁ」


そう言ってママの喜ぶ顔を想像したのか、にんまり笑う。


「絶対!喜ぶし、ビックリするぞぉ!
楽しみだな?」


「うん!おれ……おれ……

がんばる!!」


そんな約束を二人でこっそりしたあと、抱いていた健太をそっとおろす。


それから自分の小指を出して健太の小指に絡ませた。


「ゆ~びきりげんまん、嘘つ~いたら、針千本飲~ます!

指切った!!」


一緒に歌いながら、健太は嬉しそうに指切りをする。


「二人で何こそこそやってんのぉ?」


ふいに後ろから声をかけられてハッとした。


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