もうひとつの恋
「ほんとに健太は桜井くんが大好きみたいだね?

今日は来てくれてありがとう

あんなにはしゃいでる健太を見るの久しぶりなの

健太が喜んでると私まで嬉しくなっちゃう」


俺から美咲さんとじゃれている健太に視線を移すと、さとみさんは愛しそうに微笑んだ。


そんなさとみさんの表情を見ながら、俺は少しだけ健太に嫉妬する。


俺にもあんな顔で見つめてくれないかな?


健太にもだけれど、さとみさんへの気持ちも、どんどん高まっていってる気がした。


動物園――


さっき健太と約束した動物園がチャンスかもしれない。


あの人に頼んで三人で行けるように相談してみようか?


まともに聞いてくれるかは不安だけど、美咲さんしかこんなこと頼める人はいない。


近いうちに彼女に相談してみよう。


俺は自分の気持ちを伝える準備段階に入ることを、ようやく決意して、さとみさんの横顔をじっと見つめた。
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